9/15/2011

土づくりの一年

循環農法を確立された赤峰勝人さんの「循環農法」という本には、畑に生えてくる草を観て土づくりをしていく方法が書かれています。
この本は何度もご紹介していますが、とても参考になるので、多くのみなさんに読んでいただきたい本です。

私たちがお借りしている畑は、以前は果樹園で、耕作放棄地になって以来、何度か除草剤をまいた形跡のある場所でした。また周囲はブドウ畑に囲まれ、日常的に農薬が飛んできていたと思われます。

「循環農法」にはすでに農薬、化学肥料を使用している畑を循環農法に戻す場合、荒地の場合など、どうすればよいのかが書かれています。詳しくはぜひ、書籍を参考に勉強していただきたいのですが、私たちはこの本を参考に、この一年、あまり作付けはせず、ひたすら草を生やして借り倒して土の上に置くという作業を繰り返してきました。

参考までに、抜粋させていただくと、

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●農薬化学肥料づけの農地を命ある土に変える方法
 ・一年間何も入れないで雨水にかけて土の断食をする。
  生き残っている草に、土の中に蓄積された毒素を吸い上げてもらう。
 ・二年目から、草が実を結んだら土にすき込んで返す。
  草を土に返す作業は、最初数年は農薬、化学肥料によって土の中の微生物はかなり
  殺されているので、土に返しても発酵が遅く時間がかかる。
 ・二年目からやせた土地で作れるサツマイモなどを作る。
 ・三年目からは草の種類をみながら、作物を選択。
  三年もすればアトピーの人たちが食べてもよい作物ができる。

●何年も放置されていた荒地の場合
 ・生えている草によって順序はことなる。
  土が痩せている段階では、竹のような縦横に根を張りめぐらせている草が生えている。
  これは硬い土を掘り起こして柔らかくし、土の中のケイ酸カルシウムを満たしてくれる役目。
  これを借り倒して畑に置いておく。微生物が食べて土にしてくれる。
 ・ススキのような背の高い草は切り倒してそのままにしておく。
  また柔らかい草は実を結んでからトラクターなどですき込む。
  (小さな菜園であれば、クワ・カマで十分)
 ・何度か繰り返していると、土の中のカルシウムが増えてきて、ナズナやハコベ、
  オオイヌノフグリなどの草たちが生え、年々土が良くなり、
  五年ぐらいで生きた土になってくる。

注意:野焼きは畑にいる微生物たちを殺してしまうことになり、畑のカルシウムが一時的に
    増えるだけで、その年だけは良いが、二年目はまた同じことになるので、
    草は決して焼いてはいけない。

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ということで、私たちがお借りすることになった畑では、荒地だったうえに農薬も使っていたので、まだまだ土づくりには時間がかかりそう。
でも、去年の2月からずっと土の上に草を借り倒すという作業を繰り返してきていますので、当初に比べればずいぶん様子がよくなってきました。この先がとても楽しみです。

そして、草ぼうぼうに生やしては刈るというこの繰り返し、地主さんのご理解があって出来たことで、とても感謝しています。草一本生やすな!という方なら、とっくに追い出されていたと思うのです。私たちの地主さんは、応援してくれるだけで何一つ「ああしろこうしろ」というようなことはありません。本当にありがたいことです!!


土がどんどん豊かになっていくのを感じられるのはとても幸せなことです。
ナズナやハコベがいっぱい元気に生えてくるようになったらと、想像しただけでワクワクします。

今日も畑の微生物君たちに元気いっぱいで頑張ってもらわないと!!
水やりの度に土の中の微生物くんたちにエールを送っています♪

しかし・・・・
農薬・化学肥料を使ってしまうと、安全な作物を育てるために三年も土づくりにかかるんですね。
安易に使うものじゃありませんね。