3/11/2016

“しずり棚機会”第一回 ご報告

旧暦の2月になって二日目の昨日、“糸績み~機織りまで”教室がスタートしました。

木綿・絹・麻・カラムシ・・・と布のモトとなる植物は多々ありますが、まずは麻で練習を始めます。

少しずつ作れる布の種類を増やしていきたい、草木染も・・・と夢が広がりますが、
糸すら作り出せない今の私にとっては、それらの全てがただの夢・幻、絵に描いた餅。

まずは昔の女性のたしなみの一つ、糸を作るという手仕事が出来るようになるべく、
ワクワクしながら当日を迎えました。


とっても素敵な講師「麻の衣 忠兵衛」の金子貴子さんより、
様々な布を見せて頂きながらお話ししていただいたので、

  ・糸の出来上がりの違い→織り上がる布の違い 
  ・糸を紡ぐ前の繊維の処理の違い→織り上がる布の違い
  ・日本の麻繊維ならではの繊維の処理と世界各地での麻繊維処理との、布の感触の違い
  ・織り方の違い→仕上がる布の質感の違い
  ・染めものについて

などを目で見て触って、感覚として感じて、体感することが出来ました。

布が次々と和室の畳の上に広がって、自然に歓声があがります。
私はもうテンション上がりっぱなし⤴⤴⤴⤴⤴
色とりどり、そして手仕事で織り上がった布たちの何ともいえない温かい雰囲気にウットリ!!
(すでに幸せ。)



今回使用するのは、栃木県で作られた野州麻です。
精麻と呼ばれる状態まで処理が終わっているものを使わせていただきます。
皮を剥いだり、発酵させたりする過程はすべてすっ飛ばしていますので、
ずいぶん楽をしてしまっていることになりますが・・・。
そこは理解したうえで、まずは麻績みの練習です。

日本特有の麻繊維の処理方法によって、美しい金色の精麻となり、また出来上がる布も
海外の麻繊維織物とは全く違う布に織り上がることを学びました。
この処理方法を編み出し、今に伝えて下さった日本の先人たちに感謝です。

精麻↓
 美しい。


糸を作る、麻績みというしごとをする前に、 精麻を下処理します。
それは麻打ち(おぶち)というそうで、これは次回3月24日に習いますが、
今回は先生が事前に処理して下さったもので、練習を行いました。


写真右手が精麻、左手の少しふわふわして見える状態が麻打後。

たくさんのエピソードや、先生が教えていただいたというおばあちゃんたちの言葉などを
伺いながら、先生の手元を食い入るように見つめつつ、実演は続きます。

まるでお母さんやお婆ちゃん、知り合いのお姉さんから初めて麻績みを教わる子供のような気分です。
ワクワク。

先生の両手から、というより体からどんどんと糸が生み出されていくように感じました。



写真に写っている棒は糸を割いた後に一旦かけておくためのもの。
麻裂き棒(おさきぼう)と言うそうで、これは先生の麻裂き棒です。

※実は今回、手探りながら、竹を加工して麻裂き棒を人数分作りました。
 昨日は参加者の皆さまに使っていただけるものをお渡しできました!

 道具があると、より練習が楽しいですね♪
 マイ麻裂き棒で、楽しく麻績みしましょう!!


この麻裂き棒は、昔は囲炉裏の灰のところにグッと刺して固定して使っていたそうです。
囲炉裏端で女性たちが糸を作り出している様が目に浮かび、一人タイムスリップ・・・
そこへ、先生が何気なく「これをしないとみんな着るものがない・・・」と一言。
うーーーーーーーん。
確かに!!
多くのものを自然を生かして自分たちの手で生み出していたご先祖さまたちに改めて敬服いたしました。

と同時に、何かそうした暮らしの中にある豊ささも同時に感じました。
なんでも生み出してしまっていたのですから!
その技も技術も力も、家庭の暮らしの中に存在していた、その豊かさに思いを馳せました。


この機織りにまつわる手仕事も、自分の意思に関係なく、強制で作らされたりやらされたりしたら、あとはものすごく不向きなのに、どうしてもやらざるを得なかったケースでは苦痛に感じたことでしょう。

でも、布に色柄があるというのは、そこに生み出す創造の喜びが確かに存在していたことを
想わずにいられません。

何かにつけて、こうした手間暇のかかる作業や一見効率の悪いとされるような手仕事をしていた
昔の女性たちが、いかに大変だったかというような話はよく聞かされることも多いと思います。

良くあるのが
 「買った方が早い、割に合わない、手間の割にお金にならない・・・・」でしょうか(笑)

実は先日、ワタシ今度、麻績みと機織りを習うんです。と夢見がちに話したら、あるお相手から帰ってきた答えが、
「そんな手間かかることしなくても、お金があれば、名人の織った上質な布を買えるわよ。」

・・・・・。

まあ、それも今の一つの現実なわけですが、価値観の違いですね(笑)

私は布を自分たち作り出すことができるということそのものに、一つの豊かさを見出しているわけですので、そんな視点を共有してくださる素敵な参加者のみなさまと一緒に、お教室での楽しい時間は過ぎていきました。。。


先生が練習の合間に仰っていた、
「お料理と同じように、麻績みも機織りも昔は普通にみんながやっていたこと、誰にでも出来て、
全然特別なことではないので、しばらくやっていれば、ある時ふっと出来るようになる。
自転車に乗る練習と同じ。」という言葉がとっても印象に残りました。

また、一度死んでしまった植物にこうしてまた生き返らせて布として纏うことで命を吹き込む・・・というお話も、印象深いお話でした。
手は動かしながら、心を動かす沢山のお話とみなさんのコメントが刺激的でした。

機織りに向けて、まだまだ先は長いですが、とにかく楽しいワクワクの時間となりました。
二週間、私もお家で練習を続けます。

参加して下さったみなさま、本当にありがとうございました。
おしゃべりにも花が咲き、ささやかですがお茶とお結びで一息つきながらの楽しい教室でした。
今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。


次回は、下ごしらえにあたる「麻打ち」を習います。

3月24日(木)13:00~
場所は同じく韮崎市民センターニコリです。

詳しくはブログ記事「しずり棚機会」のお知らせ をご覧ください。

お問い合わせ・参加のご希望などは彦星ファーム(織姫事業部)まで!
hikoboshi@hikoboshifarm.com