一粒万倍日を選んで、今年も水苗代へ種を降ろしました。
代掻きを終えて、土を落ち着けたところで、苗床となる「ベッド」を作り、
一旦水を切った状態で一日表面を乾かします。
その後、もう一度水を張った状態で、今朝の種降ろしを迎えました。
水面に波が立つと差し支えるので、風のない早朝に種を降ろします。
まず初めに、お塩とお米、御神酒を田の神様にお供え。
今年も、イセヒカリの生まれた伊勢神宮の御神酒、「白鷹」を、
長年応援してくださっている方より御贈りいただき、お供えさせて頂きました。
感謝。
今朝は本当に冷え込みました。
ふと見ると、田んぼの隅に薄氷が張っていました。
さ、寒い・・・・
朝日が昇りました。
さあ、いよいよ種を降ろします!!
降ろす種籾は、4月8日の夜から、浸水を始めて準備してあったものです。
種籾の端からチョコンと白い芽が出ています。
作ってあった「ベッド」、苗床の上に、まいていきます。
1cm四方に一粒、というのが理想らしいのですが、
これがなかなか難しい。
一枚一枚、苗床に種を降ろしていきますが、ふと見ると、
大切なベッドの上にケモノの足跡が~!!!
ぎゃーーーーー。
キツネ!?!?!?
気にせず、ここにも種を降ろし・・・
鳥、動物から苗を保護するため、
今回もすべての苗床にネットをかけました。
これで、種降ろしが完了です。
寒冷地では、ネットだけではなく、寒冷紗やビニールシートをかけるなど、
霜などから苗を護るための工夫をされている場所もあるようです。
また、鳥よけは、黒い糸を張るなどの方法もあるそうです。
彦星ファームの田んぼは、昨年まではこのネットだけで事足りていますが、
この苗代の上の田んぼに水をためて、なるべく温めて水温を上げてから、
水苗代に水を引いています。
これから、苗の成長に合わせて水位を随時調節しながら、“40日苗”を作ります。
種降ろしは、何度やっても大変緊張感があるものだと思います。
他の農作業にはない、独特の空気感です。
良く、諸先輩方が、種降ろしは「ご神事」のようだと仰っていましたが、
本当にそうだなと感じます。
また長唄などの邦楽には、この「種降ろし」にまつわる歌や文句も良く登場します。
「三番叟」などが特に有名ですね。
歌舞伎でも上演される演目です。
日本人とイネの関わりの深さを実感します。
毎日、元氣いっぱいの苗が育つよう、気を配っていきたいと思います。