2/26/2016

イノチの根っこの「イネ」

田んぼもこの時期は畦の補修などの大変に地味な作業ばかりですので、
ブログに掲載しようとすると、土木作業の様子になります。
それもまた大切な仕事ではあるのですが、地味です・・・。


そこで今日は私が一日一度は思い出して、毎日のように感動していることがあり、
それについてご紹介してみたいと思います。

田んぼでお米を育てるようになるずっとずっと前から、私には一つ、疑問がありました。
日本ではお米や五穀の穀物が主食とされ、ついこの前までは今のお給料にあたるものが「米」であり、更には、伊勢神宮をはじめとする全国の神社では、お米・水・塩、またお米から作ったお酒が神様に備えられ、本当に大切に扱われてきている訳ですが、 なぜ、それがお米(五穀)だったのか?と、漠然と疑問に思ってきたのです。



もちろん、体感や感覚として、母や祖母が結んでくれた、塩結びを食べたときの
えも言えぬ満足感というか、「ごはんだーーーーーー!!ごはんがきたぞーーー!」
と体が喜んでいるあの体感に加え、そもそも食事そのものを「ごはん」と呼ぶことなど、
理由は分からないけれど、保存が効くことなどの理由とは別に、お米・穀物を主食として大切にしてきた何かがあるのだろうとは思っていました。

田んぼに立つようになり、何となく稲(イネ)という植物のもつ独特の雰囲気のようなものを
目の当たりにするようになり、「米は特別なもの」という感覚は、私の中でますます確かなものとなりました。雑穀を育ててみて、更に、米に加えていわゆる五穀・八穀と呼ばれる穀物全般のもつ独特のパワーを感じました。

それは言葉にできない類のもので、ただそう確信したとしか書けないのですが、愛しい美味しい野菜たちともまた違ったイキモノ・・・
どちらも素晴らしいのですが、ただ、何かイキモノの特性に違いがあるということが実感としてありました。

そんな折、大谷ゆみこさん著の「ごはんの力」の中に、
イネ(稲)はいのちの根源 というページがあり、読んですぐに、
一人で「な、なるほどーーーーー!!!すばらしいっ!!」と感動の唸り声をあげてしまいました。

その一節をご紹介させていただきたいと思います。


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イネ(稲)はいのちの根源

日本には言霊という文化があり、古代人は言葉の一音、一音に魂が宿っていると感じていました。
カタカムナという日本の古代文献の解読書には、古代の日本人は言葉の音一つ一つに宿る宇宙のエネルギーを言霊として感じる力を持っていたとあります。
言霊では、イネという言葉は、息、勢い、意思などに見られるように、生命エネルギー(いのち)を表す言霊「イ」と、根っこや物事の根源を表す言霊「ネ」を組み合わせた名前です。
古代人にとってイネの意味は「いのちの根源」だったのです。
日本人は穀物を「イネ・いのちの根源」と呼んで種を撒き、苗を育て、収穫し、食卓に乗せて生きてきたのです。
なんて感動的な事実でしょう!
(「ごはんの力」大谷ゆみこ著 より引用) 
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本当に、なんて感動的な事実でしょう!!

その日以来、私はお米や雑穀を洗う時も、炊く時も、炊きあがって鍋のふたを開ける瞬間も、
お茶碗に盛る時も、「いただきます。」と感謝をささげるときも、食べているときも、
いのちの根源=イネという事実に感動し続けている毎日なのです。

有難いことに日本という国に生を受け、この気候風土で生かされている自分。
この国に太古の昔から伝わる「イネ=いのちの根源」という言葉を味わうと、海外の気候風土・海外の方の体質に合ってはいても、日本人には全くそぐわないような「ヘルシー食事法」にはあまり流される必要もなくなりますね。

今日も、いのちの根源=イネを心をこめて丁寧に、美味しく美味しく炊き上げます!
本当に日々、イネに恵まれていることはありがたいことです。