11/18/2013

小麦の若葉

富士山もすっかり雪化粧をしてきれいな冬の姿になりました。
甲斐駒ケ岳、鳳凰三山にも雪が、そして八ヶ岳にも・・・
いよいよ冬の寒さが増してきそうです。

そんな寒さを日に日に感じる今日この頃ですが、
一番早い時期に小麦を蒔いた畑では、若葉が芽を出しました。


葉っぱの先に朝露が輝いて、とっても綺麗でした!


彦星ファームではいわゆる地粉を育てています。
うどんやおやつ用に、昔から育てられてきた小麦粉でグルテンの量から中力粉に分類されます。
この地粉は、ほとんど作られなくなりました。
もちろん様々な政策やら何やらの結果でもあるのですが・・・
経緯を調べると日本の小麦生産を撲滅したかったのかなというくらいです。
アメリカは小麦も日本に大量に売りたかったのでしょうね。

地域の80代のおじいちゃんおばあちゃんにお話を伺うと、昔はどのお家でも小麦(地粉)を作っていたそうです。地粉はお日様で干してから御蔵に保管 し、その日に食べる分を石うすで挽いていたそうで、ただでさえ香り高い地粉ですから、挽きたての粉でうどんやおほうとうを作っていた昔の方々は、さぞ美味 しいものを召し上がっていたことでしょう。
田んぼで春から秋にお米を、秋から春までは小麦を育てていたお家も多かったようです。

アメリカなどの大規模農業の食糧生産の仕組みと日本で昔から受け継がれてきた食糧生産の方法は全く異なります。
そもそも、自然というもの、土というものに対する感覚が違いますから、なんでも海外のやり方が素晴らしいと思い込んでいる私たちの常識を一度疑ってかかる必要があると思います。

最近、お米も大規模農家さんだけを推進し、海外との競争力をつけるという政策が推進されていますが、本当にそれは日本のためになるのでしょうか?
日本には日本の百姓のやり方、食糧生産のやり方があると思います。

一人の農家が作付けする面積を増やせば増やすほど、大きな機械が必要になり、生産性を上げなければいけないと思うと、化学肥料や未完熟の有機肥料などを使ってでも、作物を大きく育てなければいけなくなり、畑の土を痛めつけてでも、まるで工場で物を作るかのような不自然な食料生産をすることにつながります。

もともと、ほとんどの国民(人口の八割といわれています)が自給自足をして暮らしていた日本ですから、それぞれのお家でお野菜やお米を育てれば、ゆったり大地と自然と季節のペースに寄り添いながら、無理なく育てられるし恵みをいただけるということなのだと思います。
ちなみに、自給用の場合、農作業は全く大変ではありません。
本当に楽しいことだらけだと思います。
人様の分まで大量に作ろうと思うと、もちろん重労働にもなりかねませんが・・・
それでも、欲張らず、無理せず、情熱が湧く範囲であれば、もちろんいわゆる農業も楽しめると思います。

大規模農業のやり方と比較してしまうと、ささやかな量の地粉かもしれませんが、楽しみにお料理して召し上がって下さる方々から頂けるお声がいつも励みです。
ありがとうございます!

これからも大切に、この地粉を育てていきたいと思っています。
(もちろん、無農薬・無肥料栽培で♪)

今の小麦畑の様子。
成長が楽しみです。