10/30/2013

キュウリの種とり

明日でいよいよ10月も終わりです。
暦では蟄虫咸俯(ちっちゅうことごとくふす):冬に巣篭りする虫たちが次第に姿を消しはじめ、このころにはほとんど姿を観ることができなくなる時期。
ということで、いよいよ秋から冬へと季節の移り変わりを感じますね。

今日は夏の間、来年用の種とりのために畑に残してあった、熟したキュウリを収穫してきました。





キュウリがこんな色になるなんて、ちょっとビックリ。
いつも見慣れた緑色のキュウリは実はまだ完熟してはいないんですね。


にっぽんたねとりハンドブック(現代書館、プロジェクト「たねとり物語」著)によると、キュウリはウリ科で、雌雄異花(一つの株に雄花と雌花が咲く)、キュウリはキュウリの花粉しか受け付けません。交雑は昆虫によるものが一般的とのこと。花は一日~二日と短命で、夜明けに開花するそうです。

つまり、すぐお隣にカボチャや瓜が植えられていても交配してしまう恐れはないのです。
 ただし、キュウリ同士は交配しますから、ファームでは今年二種類のキュウリを育てましたので、全く別々の畑に一種類ずつを植えました。スペースがない畑の場合には、種として残す株の花が、他のキュウリの花粉と交配しないように、人の手で受粉を行い、ビニールで花を覆うなどの工夫をしているそうです。




にっぽんたねとりハンドブックに記載されているキュウリの種とりの手順は以下の通りです。

①果皮が黄色くなってから収穫する。
②室内など涼しい場所で一週間ほどおいて追熟する。
③包丁で縦に二つ割りにして、スプーンで種子を取り出す。
④ぬめりを取りやすくするため、そのままポリ袋に入れ、口を縛って一日発酵させる。
⑤袋からボールに移し、水で洗う。
⑥充実した種子は沈んでおり、きれいに洗って種子だけを取り出す。
⑦網かごに入れてよく洗う。
⑧天日に当てて乾燥させる。
⑨種子がくっつかないように時々手でかきまぜる。
⑩その後一週間ほど風通しの良い場所で陰干しにする。
⑪夜間は夜露に当たらないように室内に入れる。
⑫品種と日付を書いて容器や袋に入れ、冷蔵庫で保管する。
⑬乾燥した冷暗所なら放置しても4年間、保管が良ければ10年間は保存できる。
    【引用:にっぽんたねとりハンドブック 現代書館、プロジェクト「たねとり物語」著】


今日、畑から収穫してきたものは、四葉キュウリというトゲのあるキュウリです。
スーパーなどで売られているキュウリのほとんどがF1のキュウリになってしまっているそうですが、それぞれの家庭菜園でこうして種をつないでいけたら素敵ですね!