やっと麦撒きが終わりました。
これが小麦の種。(つまり玄麦)
小麦は品種によって含まれるグルテンの含有率が異なるそうです。
また、同じ品種でも地域の気候風土によってグルテン含有率は変化します。
グルテン含有率の違いで、強力粉・中力粉・薄力粉に分けられます。
グルテンの含有率が10.5~13.0%は強力粉と呼ばれ、パンや麩を作るのに使われます。
7.5~10.5%が中力粉で麺類・和菓子に、6.5~9.0%が薄力粉でお菓子・天ぷらに使われます。
また、小麦粉を買う時に、全粒粉と精白粉という選択肢があります。
玄麦を製粉すると皮(フスマ)が混じった状態で、これが全粒粉です。
全粒粉は栄養価が高く、最近は全粒粉を材料の一部としているパンも随分一般的にみかけるようになりました。この全粒粉からフスマを取り除くと精白された状態になります。
日本国産の小麦はほとんどが薄力か中力。
パンに使う強力は北海道産のハルヒカリなどがあげられます。
(千葉県産のアオバコムギという品種もグルテン含有率は13.4%で強力です。)
今回私たちが選んだのは、農林61号という品種です。
茨城県ではグルテン含有率は10.5%ですが、愛知県では9.8%というデータもあり、同じ品種でもずいぶんと異なってきますが、自分たちの畑で育てた場合はどうなるのか、まだわかりません。
山梨には農林26号という山梨県産の小麦の品種がありますが、たまたま種を入手する都合で今年は農林61号に挑戦することになりました。
小麦粉は、山梨の郷土料理のほうとう作りには勿論、うどん、天ぷら、ネギ焼きなどの焼き物、そして手作りおやつに欠かせない食材です。地元のおばあちゃんの昔話には必ず、大人たちが小麦粉で作ってくれた色々な”おやつ”の話が登場して、とても興味深いのです。
小麦粉もまた奥深い食材の一つ・・・
おばあちゃんたちから今はなかなか作らなくなったという小麦のおやつレシピをせっせと聞き取らねば、と思いつつ、小麦の種蒔きに没頭。
通りがかりの方には「この寒い中よくやるねぇ。」と声をかけていただきましたが、蒔いている当の本人たちは寒いどころか、程よく延々と続く全身運動のおかげで、とてもホットな時間を過ごし、汗だくになって作業は終わりました。
本当に秋の陽はつるべ落としと言いますが、夕方の日の入りの速さには驚かされます。
そして、夕方の空の美しい色の変化にも毎回驚かされます。
地球って本当にすごいところだな~と思わずにはいられません。
今日も一日楽しく体を動かし、お日様の光と大地とともに時を過ごし、心からの感謝の気持ちでいっぱいになりました。
農作業は辛い!という方もいるのかもしれませんが、その人が楽しんでさえいれば、義務でも誰かに押し付けられた仕事でもありませんし、私たちの体を養ってくれている植物たちのお世話をし、時が来るとその命をいただいて自分たちの身体の一部とするわけですから、お百姓さんの「しごと」というのは喜びの方がずっと大きいと思います。
「食べていくこと」とはこうして土と共に生き、土に仕えることなのだと実感する日々です。