11/30/2012

間引き菜の魅力

これは人参を間引いたものです。





 人参・大根など、種をまいて育てる野菜は、間引きをして、畑に残す株を大きく育てますよね。
その時に間引いて一足先に畑から収穫する間引き菜たちですが、実はこれがとても美味。
大根の間引き菜は昔から、お味噌汁の具になったり、この季節の食卓を支えてきました。
しかも栄養満点なのです。
若葉にしかない味わい、香りがあります。
間引き菜は体にとってもとても大切な食材です。

人参の間引き菜は、葉の独特の味もまだ強烈ではないので、美味しくいただけます。
葉はフライパンで炒めてふりかけ風にしたり、天ぷらにして山菜風に味わったり、刻んだ葉を水で溶いた小麦粉に加えてチヂミ風にしたり、スープに入れたりと本当にレシピは尽きないものなのです。

この時は、葉っぱは刻んで炒め、人参の根?の方は、菜種油で素揚げにしました。
(身体に染みわたるような自然な甘みが抜群に美味しいご馳走です♪
 お野菜の素揚げをする時は特に使う油が大切。昔ながらの圧搾法の油を選びましょう。
 何より美味しいのと、胃もたれもしませんよ。
 化学薬品で抽出した油では味もイマイチ、身体にもあまり優しくありません。)


本当に美味しい!!
(感動的)



洋食のお店に行くと、必ずハンバーグなどのメインのプレートに人参のバターソテーが添えられているかと思います。
みなさん、あれ、お好きですか?美味しいという方もいるのかもしれませんが、
私にとってはあまり美味しくない、というか、はっきり言ってマズイ!!!
けんちん汁や煮物などに入っている人参は好きなのですが・・・
和食は、本当に素材の味を生かした調理法だと感じます。

ちなみに、人参が嫌いだという方は、本当の人参の味を味わったことがないのかもしれません。

無農薬無化学肥料の土で、品種もスーパーマーケット向けのものではなく、固定種のものを育てるようになってから、人参ってこんな野菜だったの!?とびっくりしました。
まず、売っているものとは香りが違います。
そして、味もいやらしくない本当にほっこりした甘味と、人参の風味がしっかりします。
(品種によっても驚くほど味が違うので、家族のお好みの種類を選べるのも自分で育てる魅力。)

結局、一度これを味わってしまうと、スーパーの人参の味の無さに愕然とします。
まだ味覚が正常な子どもたちが野菜がマズイというのもうなずけます。
それは外食しても同じことで、見た目は確かに人参の形をしているのに、人参の味がしないのです。

外食では他の野菜でも同じで、どの野菜も味と風味がないことにびっくりします。
例え高級レストランでも、野菜の味がしないことが多々あることに最近気づいてしまいました。
確かに雰囲気も食器も、味付けやソース、盛り付けなどは本当に素晴らしいのですが。

そんなわけで、以前ほど外食にも魅力を感じなくなり(ものすごく食いしん坊なので、どうであれ美味しくないとテンションが下がるのです・・・とほほ。) 、おうちごはんを満喫しています。

鮮度・品種・風味・香・野菜の健康度・野菜のパワフル度、どれをとっても、たとえ庭先の小さな家庭菜園の野菜の方が断然上だと思います。
そして何と言っても、本当に健康な土(無農薬無化学肥料栽培)で育ったお野菜は、そのお野菜本来の味がするのです。

間引き菜は自分でお野菜を育てているからこそ、こうして日々楽しめる自然からの贈り物です。
間引きは単なる農作業ではありません。
とても楽しくて喜びにあふれた収穫の作業だと思います!!

さあ早速、お野菜を育てましょう~。
美味しいですよ~♪

11/19/2012

麦蒔き

今年は小麦に挑戦。
やっと麦撒きが終わりました。

これが小麦の種。(つまり玄麦)

小麦は品種によって含まれるグルテンの含有率が異なるそうです。
また、同じ品種でも地域の気候風土によってグルテン含有率は変化します。
グルテン含有率の違いで、強力粉・中力粉・薄力粉に分けられます。

グルテンの含有率が10.5~13.0%は強力粉と呼ばれ、パンや麩を作るのに使われます。
7.5~10.5%が中力粉で麺類・和菓子に、6.5~9.0%が薄力粉でお菓子・天ぷらに使われます。

また、小麦粉を買う時に、全粒粉と精白粉という選択肢があります。
玄麦を製粉すると皮(フスマ)が混じった状態で、これが全粒粉です。
全粒粉は栄養価が高く、最近は全粒粉を材料の一部としているパンも随分一般的にみかけるようになりました。この全粒粉からフスマを取り除くと精白された状態になります。

日本国産の小麦はほとんどが薄力か中力。
パンに使う強力は北海道産のハルヒカリなどがあげられます。
(千葉県産のアオバコムギという品種もグルテン含有率は13.4%で強力です。)

今回私たちが選んだのは、農林61号という品種です。
茨城県ではグルテン含有率は10.5%ですが、愛知県では9.8%というデータもあり、同じ品種でもずいぶんと異なってきますが、自分たちの畑で育てた場合はどうなるのか、まだわかりません。

山梨には農林26号という山梨県産の小麦の品種がありますが、たまたま種を入手する都合で今年は農林61号に挑戦することになりました。


小麦粉は、山梨の郷土料理のほうとう作りには勿論、うどん、天ぷら、ネギ焼きなどの焼き物、そして手作りおやつに欠かせない食材です。地元のおばあちゃんの昔話には必ず、大人たちが小麦粉で作ってくれた色々な”おやつ”の話が登場して、とても興味深いのです。

小麦粉もまた奥深い食材の一つ・・・
おばあちゃんたちから今はなかなか作らなくなったという小麦のおやつレシピをせっせと聞き取らねば、と思いつつ、小麦の種蒔きに没頭。

通りがかりの方には「この寒い中よくやるねぇ。」と声をかけていただきましたが、蒔いている当の本人たちは寒いどころか、程よく延々と続く全身運動のおかげで、とてもホットな時間を過ごし、汗だくになって作業は終わりました。

本当に秋の陽はつるべ落としと言いますが、夕方の日の入りの速さには驚かされます。
そして、夕方の空の美しい色の変化にも毎回驚かされます。
地球って本当にすごいところだな~と思わずにはいられません。
今日も一日楽しく体を動かし、お日様の光と大地とともに時を過ごし、心からの感謝の気持ちでいっぱいになりました。

農作業は辛い!という方もいるのかもしれませんが、その人が楽しんでさえいれば、義務でも誰かに押し付けられた仕事でもありませんし、私たちの体を養ってくれている植物たちのお世話をし、時が来るとその命をいただいて自分たちの身体の一部とするわけですから、お百姓さんの「しごと」というのは喜びの方がずっと大きいと思います。

「食べていくこと」とはこうして土と共に生き、土に仕えることなのだと実感する日々です。

11/15/2012

レタスと白菜

これから冬を越して春を迎えるまで畑に登場する草がたくさん生えてきました。
その草たちの中で、白菜やレタスが仲良く元気に育っています。



レタスは生でいただくのもおいしいですが、豆乳鍋に入れても美味♪


白菜は鍋物に、お漬物に・・・と、冬中、食卓を彩ってくれます。


 中心部分が結球して、徐々に見慣れた白菜のかたちになっていっています。
周りの葉っぱは大きく広がり、冬に向かって少しずつ変わっていく太陽の光をいっぱいに集めるパラボラアンテナのようです!!

畑に行くと、必ず一つ一つ手で触れるようにしています。
植物に意識があることはすでに分かっていますが、植物が出すホルモンについての研究があり、それによると虫除け効果のあるホルモンを発するらしい・・・
というのは理由の一つですが、何となく、かわいさ余って、ついナデナデしてしまうのです。
白菜には小さなトゲがありますが、チクチクして痛いな~と思いつつ、ついつい「元気に大きくなってね~♪」 と、話しかけたりもします。

お野菜たちとのコミュニケーションはとても大切。
もっともっと心を通わせたいと願っている今日この頃です。

11/05/2012

稲わらを田んぼに還す

さわやかな秋晴れ・・・
雲一つない、真っ青な青空に、さわやかな秋の風が通り過ぎていき、幸せを感じます。
お届けしているお米を召し上がってくださったみなさまから、うれしい感想のお便りなど頂戴し、感謝の気持ちをあらたにしています。
(元気いっぱいに育ってくれたお米たちにも感謝です。)


今日は今年育った稲わらを、田んぼに還すために、育った稲わらを細かくカットし、土にすき込むという作業を行いました。

これは来年に向けての準備でもあります。
一つ一つの作業がすべて先々へと影響していきます。



田んぼに置いてあった稲わらです。15cm程度に刻んで田んぼにすき込むのですが、機械がない場合は「押切り」という大きな刃のついた道具で地道に刻みます。

藁カッターという機械があって、それがある場合はとても作業ははかどりますが、使用頻度も低い機械な上、とても高価。なかなか買うとなると大変です。

しかし、何とお世話になりっぱなしのお百姓さん仲間が藁カッターを持っていらっしゃるとのことで、作業直前になってお借りできることになりました。
なんとありがたい!!



これがその藁カッター。
ものすごい威力なため、使用には注意が必要です。

一束ずつ、あっという間に藁が細かくカットされて飛び出していきます。
シンプルかつパワフル、ある意味危険。
農業機械の中では緊張度はかなり上位にランクインです・・・
(お使いになる時は十分気を付けましょうね。)



こうして田んぼ全体にカットした藁が山のようになっていきます。
藁カッター、本当に助かります!!!
この藁の山を、熊手などで全体に広げたら、トラクターですき込んでいきます。
(地域の冬の気温によっては、藁はすき込まず、上に広げておくだけという場合もあるようです。来年の春の田起しまでは草を大切に生やします。必要な草が生えてきてくれるのだそうです。)





全体をトラクターで耕耘し、今日の作業は終了。
藁は土に還り、来年また美味しいお米を育んでくれます。

すっかり日が短くなり、ちょっとのんびり休憩しているとあっという間に暗くなってしまいます。

お日様を浴びてほんわか温かく、一日中田んぼにいても、本当に気持ちの良い季節ですが、日が落ちると「ああ~!!もう日が落ちる!!あれもこれもやっていない!!」と焦ります。

何はともあれ、藁カッターをお借りできたおかげで今年の作業は驚くほどのスピードで完了!!
本当にありがとうございました。

今年の豊かな実りを与えてくれた田んぼに感謝しながらの幸せな作業となりました。