ここ辺りも、冬になると「八ヶ岳おろし」なる北風が吹きます。
それがなかなかの強烈な風です。
もちろん場所によって強弱はあるでしょうが、基本的に名前がつくくらいですので、
おかげで空気は澄んでいるのですが、うっかりすると色々なものが飛ばされます。
私たちの田んぼは全くの無肥料なのですが、収穫した後の稲わらは、
刻んで還します。
この刻んで還すという作業、色々な農法の色々な考え方がありますが、
私たちにとっての理想は、刻んだ状態でなるべく土の上に放置してから、
ある程度期間を置いて土に混ぜたいのですが、
うっかりすると八ヶ岳おろしの強風で、乾燥して軽くなった稲わらが
全部飛んでいく羽目になります。
どんなセオリーであっても、その土地その土地の気候風土に合わせて、
様々に工夫が必要ですね。
私たちもいろいろなことを試しながら試行錯誤してきましたが、
刻む作業を秋にするよりは、八ヶ岳おろしが収まりかける時期まで、
藁の束の状態で放置乾燥、風化させ、
トラクターをかける直前にワラカッターで刻むのが一番安心ということに
落ち着きそうです。
温かい場所、標高が高かったりして気温が低い場所、
風の有無など、土地の条件に合わせて、
基本の農法を適宜アレンジせねばなりません。
大切なのは、何をどうしたくて無肥料にしているのか、
そもそも自分がどんな風に田んぼと関わりたいのか。
一番大切なのはそこだと思います。
こうすべき、ではなく。
良く自分の田んぼを観察して、感覚をフルに使って感じて、
どんな風に稲とお付き合いしたいのか。
●●さんが、こう言っているから、本に書いてあるから・・・ではなく、
それはもちろん踏まえた上で、自分の土地に合わせていきます。
立春を過ぎて、春が近づいてきて、風の様子が変わったら、
稲わら処理を始めます。
いよいよ、今年の田んぼ仕事が始まる時期が近づいてきました。