11/25/2016

『暮らしと、からむしと』ワークショップ参加レポ

去る11月中旬に、福島県昭和村「渡し舟」主宰のお二人による
ワークショップ『暮らしと、苧麻(カラムシ)と』に参加させて頂いてまいりました。

(レポがとても遅くなってしまい、今更感が否めませんが・・・)


300年以上の歴史を誇る、越後上布の糸の生産地である福島県昭和村の
織姫制度ご出身である素晴らしい女性お二人が、
昭和村の暮らしそのものの魅力と、からむし織の布のこと、布になるまでの
栽培から糸績み、そして機織り、またそれにまつわる色々な事をご紹介下さいました。

こちらは、昭和村で栽培され、糸績みされ、織られたカラムシ織の布たち。



さすが、上布の原料となるカラムシ、その上品な繊維に惚れ惚れとなりました。
高貴な布です。




ほんの僅かですが、麻績みの練習にいそしみ始めた身としては、
もう何もかもに目がまん丸になるほど興味深く、昭和村で日々、カラムシ栽培と
糸績みなどに取り組まれているお二人の鮮やかな麻績みの手元を見せていただいた時には
まん丸だった目はすっかりハート♡♡♡になっておりました。

あまりに夢中で手元を見つめていたため、写真撮るの忘れました。
スミマセン。

昭和村では、上等のカラムシは越後上布の原料として取引されるので、
村で織られる布は、自家用に残った原料のもの、また、日用品には
主に大麻布が織られていたそうです。

残念ながら、現在の日本ではカラムシ以上の伝統がある大麻=オオアサについては、
マリファナ(麻薬)としての認識が強く、全くそういう用途では使われていなかった地域でも、
栽培は難しくなってしまったので、昭和村でも現在はカラムシだけが活用されているそうです。

 こちらは販売されていた大判の麻ふきん。
大変丈夫で、50年はもつそうですよ♪
規制される前に昭和村の女性たちによって織られた大麻布100%の布巾で、
セイロでごはんを温めたり、広げてちょっとお野菜を干したりするときにも便利だそうです。
これで蒸したごはんは格別に美味しいらしいです。

※ 我が家のお米を是非蒸しあげてみたい!
という誘惑にかられ、一枚購入させていただきました。
 12月にはお教室の皆さんに参考にお見せした後、
使用開始します。楽しみ~♪
 あわっぷかしとお赤も作るぞ!
 さらには蒸しパンやら冷御飯の温めにも・・・
 またご紹介しますね。)

日本の畑で栽培され、手で糸となり、更に手織りされ、
淵を縫いとめている糸まで手績み糸というこの布巾。
 
もはや、この布巾、ものすごい貴重品となってしまいましたが、
昔はこのような布が全国で作られ、各家庭を支えていたことを想うと
私たちが失った何か大切なものについて、考えさせられます。

上質なカラムシの布を織るためには、原材料となる苧麻の畑の土づくりから。

そして、栽培方法や畑の管理、その後の、繊維を採りだす作業工程、
糸績みの技術、機織り・・・

手間暇を惜しまず、全ての過程に細やかに気配りがなされ、
情熱と愛情がそそがれ、布となっている。

そんな素晴らしい昭和村の姿を、渡し舟のお二人がたっぷり伝えてくださいました。
日本が失いかけている暮らしの色々なことが、ぎゅっと詰まっている。
そんな気がしました。
本当に楽しい有意義な時間となりました。



素晴らしい活動をされている『渡し舟』のお二人のご活躍をお祈りしています。
機会がありましたら、皆さんも是非、昭和村の素晴らしいカラムシ織の布に
出会われますように。

さ~。
私もとにかく地道に、麻績みの練習に励みます!!
ショールを織るという目標が、
急に布巾もいいなぁと思い始めた私・・・
オシャレより食いっ気!?


次回のしずり棚機会「麻績み~織り教室」は
12月20(火)13:00~です。

お問い合わせは彦星ファームまで。
 hikoboshifarm@hikoboshifarm.com