いつも漬物や干しもの全般などの保存食の作り方を教えていただいているおばあちゃんがいます。
この冬のはじめに、出来たばかりの干しイモの品評会?をしながらのお茶の時に、前から気になっていた「昔はどうやってご飯を保温していたのか?」という疑問をぶつけてみたことがありました。
まず、かまどで炊いたご飯は、“おひつ”に入れたそうです。
それを藁で編んだ”いずみ”という籠の中に入れておくと、しばらく保温されていたとのこと。
日本人、さすが!!
しかも昔の日本人はなんてクレバーなんだ!!
早速調べてみると、どこかでみたことのある”いずみ”・・・
おお!そうだ♪お寿司屋さんだーーー!!
お寿司屋さんのカウンターの一角に”いずみ”あって、握る時にそこからシャリを出していた!!
というわけで、何となくどんなものかイメージが湧いてきたところで、御年88歳のおばあちゃんも昔懐かしい道具や暮らし方を詳しく解説してくれました。
おばあちゃん曰く、「おひつといずみに入れておいたご飯はそりゃあ美味しかったよ。電気釜の保温は便利だけど・・・正直マズイと思うね。昔の人は美味しいもの食べてたってことだね。でも、今そんないずみなんてどこで買えるんだろう??」
うーむ。確かにどこで買えるのか見当もつきません。
しかし、そのご飯、美味しそう・・・気になる!!おひつといずみ!!
我が家ではここ二年ほど、もう電気炊飯器は使用しておらず、圧力鍋で美味しい玄米を楽しでおりましたが、炊き上がったご飯は当然二回~三回に分けていただくため、保管方法に悪戦苦闘していたのです。
さらに聞くと、山梨では昔は木曽の職人さんたちが作ったおひつなどの木の道具や、その他の地方からも竹の道具の行商の方が来て、定期的に様々な道具を物々交換したり、購入したりしていたそうです。
おばあちゃんが「木曽のさわらという木で作ったおひつを、うちでは使っていた。」と言うので、私も根拠もなく、同じようなおひつが欲しくなってきました。(かぶれやすい私・・・)
おばあちゃんによると、おひつやいずみはある意味一生モノ。
中途半端なものを買ってすぐに壊れたり、使っていて不快だったりすると「安物買いの銭失い」状態なので、とにかく腹をくくって職人さんが作ったしっかりしたものを買いなさい!とのこと。
節約はすばらしいけどケチはだめ、とキッパリ。
この話をしてから頑張って、いやウキウキと貯金箱にお金をためました・・・
そして、ついに我が家にやってきた ”おひつ” と ”いずみ” がこちらです。
稲わらで編んである籠のほうが「いずみ」で、中におひつが収まっている状態です。
昔は同じようにして編んだちょっと形の違う「いずみ」に赤ちゃんを入れて温かく保護した状態で、田んぼや畑に連れて行って作業しながら面倒を見ていたんだそうです。
ちなみに、おひつに玄米を入れて、確かにしばらくは温かい!!
さすがに電気炊飯器の保温機能と同じようにはいきませんが、そこは味や香りなど、おひつの良さ(メリットの部分)でカバー♪
まだまだこれから工夫しながらの長いお付き合いになりそうな道具たちです。
お手入れもとてもシンプルで簡単なので苦になりません。
「おひつといずみを買ったんです~」と他のおばあちゃんに報告すると、
まだいずみという道具が買えることがとてもうれしかったようで、そこから延々と昔話が始まり、やはり長年生きてきたけど、電気釜の保温より、おひつの頃はお米が美味しかった・・・とそのおばあちゃんも熱く語ってくれました。
今日も、おひつといずみのお蔭で、最高に美味しいお米をいただける幸せに感謝です♪
そして、昔の生活の知恵は宝物。
こうして私たちに伝えてくれるおばあちゃん達を、もっともっと大切にしたい!!と強く思いました。
12/26/2012
12/18/2012
冬の楽しみ
今年の12月はずいぶん寒いな~とびっくりするほど、朝晩は冷え込んだ先週でした。
冷え込みが厳しかったので、たくあんを漬けるために大根を干していたお知り合いの方のうち何人かは、軒下で大根が凍ってしまったらしい・・・。
凍り大根という保存食もあるので、急きょ、そちらに変更するか悩んでいました。
我が家のたくあんは、ちょっとしたハプニングが発生し、これからまた漬けなおすことになっており、夕方になったら大根が凍らないよう、天日干ししている大根をお部屋の中に移動するのが大変です。
畑ではこの寒さの中ですが、小麦が芽を出し順調に育っています。
冷え込みが厳しかったので、たくあんを漬けるために大根を干していたお知り合いの方のうち何人かは、軒下で大根が凍ってしまったらしい・・・。
凍り大根という保存食もあるので、急きょ、そちらに変更するか悩んでいました。
我が家のたくあんは、ちょっとしたハプニングが発生し、これからまた漬けなおすことになっており、夕方になったら大根が凍らないよう、天日干ししている大根をお部屋の中に移動するのが大変です。
畑ではこの寒さの中ですが、小麦が芽を出し順調に育っています。
そのほか、白菜も収穫も・・・。
白菜は漬物に、炒めものに、お味噌汁に、お鍋に・・・と、この時期、おおいに食卓を豊かにしてくれるお野菜です。
おすすめは、白菜をざくざくと切って、油でさっと炒め、そこにすりおろしたニンニクを加えて塩・お醤油で味を調えるだけの超!簡単&スピーディな炒めもの。
ご飯との相性も抜群です♪おいしいですよ~。
冬は、夏場ほど田畑の仕事はダイナミックではないのですが、切り干し大根を作ったり、干しイモを作ったり、漬物の仕込みや酵素ジュースを仕込んだり、できれば味噌の仕込みまで・・・と冬も、とっても忙しい!!(結局冬も・・・)
この保存食づくり、やっぱり家の中の仕事に属するのでしょうか?
夏の力仕事から打って変わって女性がボスとしてあれこれと指示を出す場合が多いかも(笑)
しかし、随所に重~い樽を運んでもらったり、重~い重石をのせてもらったりという力仕事が待っているので、男性の協力も不可欠です。
発酵食品の場合は、家族みんなの常在菌がさらに美味しく発酵を豊かに促すので、みんなの手をいれることも大切です。
ですが、こうして食生活を豊かにしていくためには、夫婦ともに食の大切さを理解し、男女それぞれの特性を存分に発揮して協力していかなければ、なかなか難しいと思います。
女性だけが頑張っても男性だけが頑張ってもなんとなく全部はうまくいかない・・・
お互いに得意不得意な分野があるので、それをうまく活かしながら共同作業するのが一番だと思います。
(往々にして、男性は単純で地味な作業が延々と続くのが苦手、女性はどんなに頑張っても持ち上がらない重石や漬物樽などがある、などなど)
もちろん、おばあちゃんたちのような保存食達人の域に達すると、「ふん!こういう時、男は役に立たん!」などとバッサリ。
どんどん一人でことを進めていく方も・・・
”男は台所に立ち入るべからず”的な時代に苦労してきたおばあちゃんたちは本当にたくましい。
けれど、今30代の私たちの世代からは、夫婦で食についても共通認識を持ち、日々の作業も協力し合っていけたらもっと素敵だとも思います。
仲良くおしゃべりしながら、時には歌を熱唱しながら、こうして家族が食べる保存食を自分たちで作るのも、冬の楽しみの一つです。切り干し大根はベランダなどの小さなスペースでも十分作れますから、あまった大根などでささっと作ってみてはいかがですか?早ければ3~4日であっという間に完成しますよ~。
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